金持ちくんと貧乏ちゃん





───そして、翌日の昼休み。


私は重い足取りで旧校舎に向かっていた。




「はぁ〜…(デートの約束するなんて絶対無理だよ…)」




だって、なんて言えばいいの?


先輩、デートしませんか?……いや、直球すぎて無理。言ってる私がすごく恥ずかしい。


先輩一緒にどっか行きましょっ!!……これは逆に私じゃない。


そういえば私最近服が欲しいんですよ〜。……なんかあざといな。そう仕向けてるような、計算高い。


あああもう!!玲菜がデートとか言うから余計意識しちゃってどうすればいいかわかんないじゃん!!


はあ…。と溜め息をついて足を止めた。




「(もうドア開ける時点で緊張してるんだけど、どうすれば)」




先輩の前で自然に振る舞える気がしない…!!!


するとガチャッと扉が開き小さく「ひっ!」と悲鳴を上げてしまった。