まあ…それは、確かに。
「でもデートはお互いのキモチをより深くするものだとあたしは思うよ」
「キモチを、より深く…?」
「そ!“ああ、すきだなあ”って思ったり“もっと一緒にいたいなあ”って思ったり!」
もっと一緒にいたい、か…。
そりゃ…、居られるなら…一緒に居たいけど…。
「樺恋さあ〜」
「えっ?」
「もうちょっと欲張りになったらー?」
欲張り?、そう聞き返すと玲菜はわかるやすく溜め息をついてまたフェンスにもたれかかる。
「ああしたい、こうしたいっていうのないの?せっかく先輩と両想いになったのにさ…。もっと積極的に行かないと流生先輩、取られちゃうよ?」
「…積極的って言われても…」
今まで彼氏なんていたことなかったし、まず何していいかもわかんないし…。

