金持ちくんと貧乏ちゃん




「………へ?」




私は素っ頓狂な声を出して先輩を見つめた。


“俺の女にしてやる”……!?


これまた訳がわからず呆然としていると、輝先輩がまた笑い出した。


この人は意外に笑い上戸なのか。




「流生くん。それじゃ唐突すぎるよ。樺恋ちゃん、困ってるよ?」




クスクスと上品に笑う輝先輩。流生先輩は面倒くさそうにため息をついて、黒いソファーに座った。




「……って、そういえば何で私の名前知ってるんですか?」




輝先輩が教室に来た時だってそうだ。普通、見知らぬ相手の名前なんてわかるハズがないのに。


すると輝先輩がにっこりと微笑んだ。




「流生くんの叔父さんがここの理事長なのは知ってるでしょ?」


「はい…」


「だから、聞けば教えてくれるんだよね」




そう言ってわかりやすく説明してくれたけれど…それって、所謂プライバシーの侵害とかいうやつではないのか?




「ちげぇよ。今回のはおっさんが勝手に教えてきたんだ」


「教えてきた?」




イマイチ話がわからず首を傾げると、輝先輩がまた笑った。