金持ちくんと貧乏ちゃん





先輩の腕を掴んで見上げるようにして言うと、首を傾げた先輩がおうむ返しする。




「たまに…なら、しても…いい、で、す……」




たまにですよ、たまに…!!


と必死で言うと流生先輩はきょとんとしたあと、ぶっ!と思い切り吹き出した。


は!?ちょっ…笑うなんてひどい!!




「そっか、たまにならいいか」


「!…ったまに」


「安心しろ」




私の頭にポン、と手を置くとぐしゃぐしゃっと乱暴に撫でた。




「お前の嫌がる事はしないから」


「!」




夕日に先輩の顔が反射してキラキラして見える。


私は一瞬驚いたものの、笑った。




「先輩、だいすきです!」


「うん、知ってる」




先輩がいれば、私は幸せです。