金持ちくんと貧乏ちゃん





「え…?」




先輩はゆっくり体を離すと私の目を見ずに立ち上がった。


私は携帯を取り出して時間を見る。


16時、12分……。


確かにもう時間は過ぎてる…。




「ま…、待って…!」


「!」




ドアに向かって歩き出していた先輩の腕を掴んで、足を止めさせた。


う、わ…自分何やってるんだ…。


でも…もう少し、先輩と一緒にいたいって思ったんだ…。そしたら勝手に体が動いてた。




「流生先輩、は…早く戻って着替えたいかもしれないけど……もう少し、一緒に居たいかなぁって…」


「………」




思ったりしたんですけど、やっぱり早く着替えたいですよね…!!