「屋上って…なんで」
「だって、そのカッコで出歩くの嫌なんでしょ?じゃあ、ここから出なきゃいいじゃないですか!だったら、他の生徒に会ったりしないでしょ?」
輝先輩がどこに行ったかは知らないけれど、ここから絶対に出なきゃいけないってルールはないし。
むしろさっき先輩が言ったようにここで時間をつぶすのもあり。
旧校舎は本校舎の裏手にあるから、屋上に出たところでバレたりはしないし。
「だめ、ですか?」
「……」
なぜか無言の先輩。
そんなに音楽室に籠ってたいんですか…。
「先輩、私、成績上位者ですよ?ご褒美、くれるんじゃないですか…?」
「…!」
少し、大胆にそう言えば流生先輩は私から視線を逸らせると溜め息をついた。

