金持ちくんと貧乏ちゃん




「嘘だって。だから逃げんな」


「知ってます?先輩の嘘って嘘に聞こえないんですよ」


「ここで襲われたいなら、俺はそれでもいいんだけど?」


「!!!」




私の腕を掴んでニヤッと妖艶に笑う流生先輩。


身の危険を感じた私はすぐに元に位置に戻った。


……今の先輩の目、絶対本気だった。




「……」


「そう警戒すんなよ。マジでするわけねぇだろ?」


「でも先輩…」


「なんだよ?」


「…何でもないです。それより、先輩のプランってなんなんですか?」




不思議な顔をして流生先輩を見つめれば「あー…」と唸って私から顔を背けた。




「?、先輩」


「…音楽室に待機」