金持ちくんと貧乏ちゃん




「別に取って食いやしねぇよ」


「食…!?」




その言葉を聞いて、いつの日かのキスを思い出してしまいボッと顔が熱くなった。




「…顔真っ赤」


「い、言わなくていいですッ!」




意地悪く、口の端を持ち上げてにやりと笑い私を見つめてくる。


あああもう…恥ずかしい…。


流生先輩と居ると、っていうか…今の格好のせいでもあるけど、ドキドキが収まらない…。


それに、最初の時より優しくなったっていうか…。でも意地悪だけど。




「樺恋」


「っ!!」




不意に名前を呼ばれて、引いていた顔の熱がまた出てきた。


うーあーっ、不意打ち…!!


うう…、と悶えているとぐいっと引き寄せられた。