金持ちくんと貧乏ちゃん




「今の声…」


「輝先輩だね」




玲菜は一瞬黙ると、ガシッ!と私の腕を掴んで全速力で走り出した。


ちょ!?はやっ!!


私は玲菜のスピードに、足がもつれないように必死で前なんて全然見てなかった。


…というか、見れなかった。


そして、しばらく走ると旧校舎が見え玲菜は迷いなく音楽室へと向かう。




「ついた…!」


「はぁ、はぁ…」




膝に手をついて息を整えていると、玲菜から「体力なさすぎよ」と言われ睨んだ。


誰のせいだ、誰の…!




「いい?入るよ?」


「う、うん…」




玲菜とぎゅっと手を握りしめ、コンコンと2回ノックをした。


そして、ゆっくりと扉を開けた。