―――…入学式から2週間経った頃。ある事が起こった。


それは……。




「桜 樺恋ちゃん、いるかなー?」




先輩に、呼び出されました。


しかもその先輩は、あの流生先輩と一緒にいた輝先輩だ。




「ちょっ!?あれっ!輝先輩じゃない!!」


「玲菜…落ち着いて…」




ちょうど今、お弁当を食べていたから玲菜がおかずを喉に詰まらせていた。


そして輝先輩を見た瞬間にガタッと椅子を引き、私の腕を掴む。




「輝先輩っ」


「あ、きみ…」


「ちょっと玲菜!」




私も玲菜に負けじと腕を引っ張るけれど、全然意味がない。


こんな細い腕なのにどこからそんな力が湧いてくるの!?




「この子がっ、樺恋です!」


「おー…。近くで見るともっと綺麗だね」




なんて、破壊的スマイルを浮かべられて隣にいる玲菜なんか目をハートにして見惚れている。


……恐るべし輝先輩スマイル。