そして今日、この日。
玲菜が待ちに待った成績発表の日がやってきた。
「樺恋樺恋!早く!」
「もう、走るなら前見て!」
時折後ろを向いて走るもんだから、見てるこっちがヒヤヒヤする。
まあ、玲菜は運動神経いいから転けるなんて事ないだろうけど…。
「う、わぁ…遅かったか…」
「ほんと…」
張り紙の前にはたくさんの人だかりが出来ていて、一番前の方に行くのは困難そうだった。
「あーもう、邪魔だなぁ…。見えないじゃん!」
「ほんとだね。どうする?」
「よし、こうなったら強行突破!」
「え!?ちょっ、玲菜!」
人垣を器用に避けて行ってしまう玲菜にため息をついて、その場に立ち尽くした。