金持ちくんと貧乏ちゃん




玲菜はふふん、と鼻を鳴らすと楽しそうに笑った。


今の玲菜の頭の中はきっとお花畑だなぁ…。




「輝先輩との1日デート!」


「んぐっ!?」




飲んでいたお茶を吹き出しかけてゴホゴホと咳き込んでいたら、目の前から「あら、大丈夫〜?」と心配する気のない声が聞こえた。


玲菜め…。




「デートって言っただけなのにそんなにむせないでよ、ウブね」


「…うるさいな」




キッ、と睨めば「はいはい」と簡単に流された。


なんなんだ…。




「だってご褒美よ?それくらい言っても罰は当たらないわ!」


「うん、そうだね…」




罰は当たらないけど、他の女の子からの睨みが半端ないだろうね、きっと…。