憂鬱 Everyday




新がヘルメットを脱いで、首を傾げる。


「そうだよ。私はつい数時間前に赤城の連中に絡まれたばっかりだ。
だから、帰りも一人じゃ危ないから送っていくっていうのはわかるよ。

でも、いくら新たちが送ってくれるからって、赤城の連中が絡まない確率は0じゃないでしょ?
もし絡まれて、新が私を庇ってケガするようなことがあったら、私はもう皆と一緒にいたくない」


ザァ、と強い風が二人の間を駆け抜けて、私と新の髪を揺らした。


乱れた髪を手櫛で整えようとすれば、突然ぼすんと重たい衝撃。


「うわ、何っ!?」

「ヘルメット。行くぞ。送るから」

「え!? 私の話聞いてた?」

「聞いてたよ」

「じゃあ…、」

「でも送る」


私の心配を“それがどうした”と言わんばかりの態度で新はひらりとバイクに跨る。


「瀬那。早く。時間ないんだろ?」

「や、でも電車で…」


と、いつまでも後ろに乗ろうとしない私に遂に新が痺れを切らした。


「あのさぁっ!」