「…瀬那ちゃん?」
「ん? あ!スミマセン。あの時の兄のこと思い出して…」
「あの時?」
「ハイ。入学式の日に帰り遅くて、ずっと心配してたら血まみれなのに笑顔で“白牙まとめたー俺がトップだー”って」
「さすが、暴れリュウだね」
その光景を浮かべたのか、クツクツと淳平サンが笑う。
「それ以来、母と兄は完全決裂です。
母とケンカした日にだけ兄はケンカするから、機嫌最悪で。
ケンカでストレス発散してたらしいから見事あのような通り名を貰ったわけですよ」
夜にフラッとケンカをしに家を出て、明け方位に帰ってくるお兄ちゃんの為に玄関の鍵を開けるのが私のささやかな役割だった。
そのときはいっつも血まみれで。
大半は返り血だったけど、大ケガしてるときもあって大変だったなぁ…。
