憂鬱 Everyday




その姿を見て、あの光景を思い出した。

玄関の扉を開けた時、そこに担がれて運ばれた真っ赤な姿…。




「雪夜っ、それ、ケガ…!!」

「なんでだよ。全部あいつらの返り血…」

「ダメ! 早く止血して…!
それに、さっき殴られたじゃん!
ゴメン。私がトロかったから…!!」

「オイ…」

「ごめん、本当にごめん」


ハンカチで血を拭おうと、彼の顔に手を持っていけば、その手を捕まれた。


「落ち着け」

「や、でもっ…」

「聞け。全部返り血だ。
そりゃ、さっき殴られたけど大したケガじゃない。
痣くらいはできるだろうけどな」


そう言われて彼の顔を見れば、傷跡は一つもない。



「………あ、そう…」