急に曲がり角から何かが倒れてきた。
「っ…クソっ…!」
「うわっ…!!」
バイクが急停止して、タイヤが焦げる匂いが鼻をついた。
「な、なに…!?」
道を遮断したものを雪夜の背中越しに眺めれば、それらはビール瓶の入ったカゴ。
こんなのに衝突したら、ヘルメットを被ってなかった雪夜は血だらけになってしまう。
と、そのカゴが倒れてきた曲がり角から、さっきドーナツ屋の裏で絡んできた連中と同じ制服の集団がやってきた。
「クッソ、仲間もいたのかよ…」
小さく舌打ちをして、雪夜はあっさりと私が被っていたヘルメットを脱がせた。
「え、何でとって…、」
「どうせオマエもツラは割れる宿命なんだ。
今顔晒そうが、後で晒そうが関係ねーだろ」
“それに、コレ気に入ってんだよ”と、雪夜はまたもそのヘルメットをアイツらにぶん投げた。
案の定、先頭を切って歩いていた緑色の髪の顔面にクリーンヒットしてソイツは気絶した。
「気に入ってるって嘘でしょ!?」
「ウルセー、少しでも人数減らしたほうが楽に決まってるだろーが」
と言うと、雪夜はしゅるりとネクタイを緩め、首を鳴らす。
