そこからまた歩いて歩いて歩いて…。


「着いた」


急に彼が止まったのは、学校らしき建物の裏門。


「え、柵あるけど…」

「跳べねぇの?」


バカにしたように藍沢くんは、ひらりと猫のような身のこなしで柵を跳び越えた。


「跳べますからっ」


その視線にムカついて私も柵をひらりと跳び越える。
(着地の時足が少しもつれたけど、藍沢くんは見てなかったからイイ)


……それにしても、ここの校舎裏。

人気が全くないそこは、校舎裏とは思えないほど日当たりがいい。

時間の問題かな…なんて考えていたら、


「こっち」

「うわっ」


唐突に掴まれた腕をグイッと引っ張られ、こけそうになる。


慌ててバランスを取りつつ、引きずられるようについていくと、非常階段の前で彼はぴたりと足を止めた。