これ以上面倒事を増やしたくない。

という気持ちから漏れた言葉を、彼は怖がっていると捉えたらしい。(若干恐怖も入っていたけど)


「無理なモンは仕方ねぇだろ。
だから、俺に考えというか、オマエにしてほしいことがある」

「何? 出来る限りならするよ!?」


藍沢くんの発言に食いつけば、彼はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。


そして、糖分にまみれた口元をぺろりと舌で舐めると、


「ちょっと着いてこい」


と、律儀に(当たり前だけど)返却口に皿を返し、彼は店から出ていく。

私もその後を追うように慌てて店を飛び出した。