入試の日も、溝辺からスクールバスが

駅まできた。

まぁ、遠いからね。

電車で行ったらどれくらいお金が

かかるのかな?

入試の緊張を忘れるためにも、

私はそんなどうでもいいようなことを

考えていた。

だって、ここで落ちたらもう後はない。

看護科しか考えてなかったし、

勉強も気持ち程度しかしてない。

ここから一般入試を目指すのはさすがに

きつい。

そう、これは“背水の陣”なのだ。

それに…

返事はこなかったけど、アキにも言った。

『溝辺の看護科を目指す』って。

アキがなにを考えてるのかはわからない。

でも、やっぱり私はアキが好きだから。

いつか、胸を張って会えるよう…

“今”をがんばるんだ。