隣に並んだ和泉は、しばらく文句か何かをほざいていた。 …かと思っていたら、歩きながら急に、「あ、そういえば」と言った。 「お前、引っ越しいつだっけ?」 「あ? ……あぁ、いつだっけ…」 「ちょ、おまっ…引っ越す日ぐらい覚えとけよアホ!」 和泉に言われるまで、引っ越しの存在自体を忘れていた。 思い出すのが面倒だったから適当に答えたら、和泉は盛大にため息を吐いた。