なぜ、俺なの? そんな疑問が北風のように頭の中を吹いた。俺にはそんな資格はないのだ。俺はあの瞬間、“人”でなくなったのだ。

 大翔は今一度画面に目を落とした。メールはまだ、表示されたまま。やがて大翔は躊躇なく親指を動かすと、終話ボタンを押した。