レインリリー

「深沢さーん」

顔なじみの看護士さんに呼ばれ

「こんにちわ」

小声で挨拶しながら診察室の戸を開けた。

あまり病院に縁のない私は
ジンマシンごときでも
心臓の鼓動が気持ち早くなっている。
病院って・・・変に緊張する。

幼い頃からお世話になり
何度も顔を合わせている先生だけど
これといって大病もしていない私に対しては、いつも事務的な態度だ。

そこが、変に馴れ馴れしいより
楽でいいんだけど。


「どれ、見せてみて」

腕から始まり、
お腹や背中も見てもらう。

「何か変わった物は食べてないんだね?」

「はい。特に無いと思います」

「そうですか。ジンマシンはストレスからくるものでしょう。飲み薬を出すから飲んで様子みて。
それと、検査の結果なんだけど・・・」

話すのを躊躇しているように見える先生の様子に

胸がざわつく・・・。

「はい?」