レインリリー

《あ~ぁ、
八つ当たりしちゃった・・・》


後味の悪い思いを引きずりながら、重い足取りで会社までの道を1人で戻る。

私の事を思って心配してくれてるのは分かっているし、感謝もしている。


けど・・・


すごく近くに居るのに

今の私の気持ちや考えまでは、琴子が理解できないでいる事がハッキリと分かるさっきの言葉だった。


こんなに近くにいる琴子に分かってもらえないんだったら
他の誰にも理解なんてしてもらえない


そんな気がして・・・



【虚しさ】と共に私も襲ったのは
猛烈な【やるせなさ】だった。