侑右の頬にチュッとキスをして


「ほら、行くぞ」


堅司さんを連れて
慌ただしく出て行く崇人の背中が
いつか見た大久保さんの背中と重なる。



この置いてかれる感じ。
嫌な予感がする。



崇人は、今、何を考えているのだろう?





「こんな時間から、引っ越し?
おかしい・・・よね?」


琴子が呟く。





時刻は4時。
陽が長くなったとはいえ、今から引っ越しなんて確かに・・・変だ。