聞いてるだけの私でも<キツイ>そう感じる堅司さんの言い方に黙ってしまった琴子。


ゆかりさんに聞いた、堅司さんが浮気して無かった話は琴子に伝えてある。


口には出さない。
けど、堅司さんを引きずる琴子。
勘違いで別れたんだったら今日、もしかして2人がやり直すチャンスもあるんじゃないかという思いを抱いていた私の期待は、もろくも崩れ去った。


「堅司さん、知り合いはちょっとヒドイんじゃない?友達っていうのも違うかもだけど・・・」


見兼ねた私が口を挟むと


「お前、分かったような事言うなよ」


さっきまでとは真逆の冷たい目をした崇人が・・・
苛々した様子で私を見下ろしていた。


「堅司は、琴子ちゃんの事を心配して言ってるんだよ。どうでもいい女に、そんな事言うかぁ?」


そうなのかな?
でも、そんな怒って言わなくても・・・


ここ1年、小さいケンカはあったけど
穏やかに生活してきた。
久々に見せる崇人の表情に戸惑い
以前の苦い思い出がよみがえってくる。