「おはようございます」


これだけが私の唯一の取り柄ともいえる笑顔で
面接した時の事務所に入って行く。

「おっ！新人さん？」

事務所に人はまばらで、
お父さんぐらいの歳のすごくオシャレなおじさまに声をかけられた。

「ハイ！！今日からお世話になる深沢です」

軽く頭を下げると

「可愛いね～♪高校生？」

言いながら私の全身をジロジロ見ている。

「あっ。はい」

舐め回すような視線に戸惑いながらも
何とか返事をして

《何この視線。。。これじゃあキャバクラか夜道の酔っぱらいに、からかわれてるのと同じじゃーん！》

心の中で叫んでいると

「やっと見つかったバイトにちょっかい出したらダメですよ、今井さん」

背後から声が聞こえた。