レインリリー

作業服から少し香る汗の匂いと
機械っぽいオイルの匂いが
妙に現実的で
昂った私の心を落ち着かせてくれる。



「もう大丈夫か?」



ようやく力を緩め
震えの治まった私のおでこに
軽くキスをした崇人は
私の顔を優しく両手で包み込む。








そして








「サイコーのPresent!!
香奈、ありがとう」


私が1番欲しかった言葉を、くれた。


大好きな崇人を困らせなくて
…良かった。


〈喜んでもらえて良かったね〉


私は、そっとお腹に、話しかけた。