「私、得なんかしてないじゃん」
「お前はそういう奴だったな・・・・・・」
ポンと肩に手を置かれた。
「じゃあ聞くけど、どうしてそんなに熱血的な訳?」
自分が出る訳でもなければ、優勝する意味がだってない。
「皆で何か一つに集中してやり遂げるって楽しいから」
走っている1年生を眺めた。
私も視線だけを移す。
「あぁやって汗を掻いて、バカかもしれないけどそれが楽しい」
1位2位を争っている後輩に周りが応援を送る。
「一致団結って結構悪いもんじゃねぇよ?」
何時もの子供っぽい笑顔を見せた。
「はぁ~・・・・・」
一致団結って・・・・・・
暑苦しい。
「なんだよ、その溜息は」


