木々が緑から赤や黄色に変わってくる頃、予想通り先生に体育祭に強制的に出させられていた。
夏休み、毎日のように留美に料理を教えに行った。
留美の話では、先生は驚いているらしい。
私が手伝っていることは伏せて貰っている。
学校が始まって教えに行くのは毎週水曜日になったが、あれだけ出来るようになれば十分だと思う。
「増井、もうすぐ100mだから準備しろよ」
先生直々に呼びに来る手で来たか。
これは予想外だった。
「先生、私足挫いた」
「どうして何も出てない奴が挫くんだよ」
「さっき段差に躓いたの」
「どっちの足だ?」
「右」
「見せてみろ」
スッとしゃがんで足を掴まれ、持ち上げられた。
左足を・・・・・・
「どこが挫いてるんだ?」
普通そっち行くかな~・・・・・
「分かったわよ、出ればいいんでしょ!」


