「葵の気持ちは分かった。俺が降ろせって言ったらお前はどうするんだ?」
「樹と別れるよ。湊にはちゃんと話してあるの。そしたら、湊がサポートしてくれるって言ってくれたわ。でも、私は湊にそこまで迷惑はかけられないと思ってる」
「だったらどうするんだ?」
「この子が大きくなるまであのマンションで過ごして、大きくなったら引っ越そうと思ってる」
俺の知らない間にどんどん先を決めて行ってしまっていることに少し寂しさを感じた。
「葵は俺にどうしてほしい?」
「本音を言うと、この子と父親を離したくない。でもそれは私の感情。樹には押しつけたくない。樹には樹の人生があるんだもの」
ったく、葵はこういう女だよ。
どうして俺が愛す女性はこうやって威勢がよくて芯が通っているんだろうな。
「だったらこれは俺の感情。葵の感情を押し付けられて言ってる訳じゃないから」
葵との距離を詰め、腰に手を回した。
「歳も歳だから、子供とか諦めないといけないのだと思ってた」
「嘘。だって樹はいいって言った」
それで俺に中々切り出せなかったのか・・・・・・
「そこで欲しいって言ったら葵が変に意識するだろ?早くしなきゃって」
「そうかもしれないけど・・・・・」
「それが嫌だったんだ」
だって子供は無理して作るもんじゃないだろ?


