葵の言っている台詞を理解するのに数秒掛った。
「妊娠・・・・・・?」
何故自分で復唱しているのかすら分からない。
「そうだよ」
だから最近体調が悪かったのか・・・・・・
それを聞いて今迄の行動に合点がいく。
「私はこの子を正しい道に導いて育てる自信はないよ」
「えーと・・・・・・、じゃあ降ろす訳?」
さっき言っていたことはこのことなのか・・・・・?
だが、俺の考えとは反対に葵は首を横に振った。
「産むよ。自信はないけど、樹との間に出来た子供なの」
そっとお腹を触れた葵は、既に母親の顔になっていた。
「私達の愛が形になったの。私はそれを手放したくない」


