「うっさいよ、伊達樹」
「コラッ!先生をつけなさい」
「今は校内じゃありません」
伊達先生の横を通り過ぎて、担任の方へ堂々と歩いた。
ザワッ
私が輪に入ると、周りがざわつき出した。
「何、あの子」
「髪の毛が茶色いよ?」
「ピアス、何個つけてるんだろう」
煩いな。
髪の色は元々だよ。
「増井さん!」
「おめでとう、沢野先生」
制服のポケットに手を突っ込んだ。
私服しか持っていないし、式の主役が学校の先生だから制服にした。
ピアスも控えめでストーンを2個ずつ付けている。
「ありがとう。やっと来てくれたわね」
「お待たせ」
ザッ______
背後に人気がした。
「何?心配?」
後ろに居る人物に話しかけた。


