「ごめっ・・・葵、泣くな」
一筋の光を指で拭った。
「俺が悪かったから」
優しく頬に触ると、顔を反らされた。
俺が悪い。
それは分かっているが、こう態度に出されると胸が締め付けられる。
「今日は、帰る・・・・・・」
布団からゆっくりと起き上がると、ベッドの下に散らばっている服を順番に身につけていった。
「あぁ・・・・・、送るよ」
「今日はいい」
何時もは顔を見ながら笑って服を着るのに、今日は小さな背中が寂しそうに見える。
「また、ね・・・・」
服を全て身に纏った葵は静かに部屋を出て行った。
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