でも、私もまだまだかな______
人の観察が得意だったはずなのに、余裕がないだけで樹の嘘を見抜けなかっただなんて。
「私の能力覚えてる?」
「え?」
空から視線を外し、私を見た。
「覚えてる?」
「あぁ、勘が鋭いことと、人間観察が得意なこと・・・・・?」
「正解」
ちゃんと覚えててくれたことに顔がニヤけてしまいそうだ。
「私のその能力が鈍ってなかったら、樹はまだ私のこと好きだよね?」
「・・・・・・っ・・///」
顔を真っ赤にした樹は、肯定しているのも同然だ。
よかった、能力鈍って無かったみたい。
「先生、私人生で彼氏はたった1人だけだよ」
誰だか分かる?と微笑んだ。
「まさか・・・・・・」
「先輩に告白された。でも、樹しか考えられなくて断った」
私の代わりに怪我を負わせてしまった先輩に、毎日のように会いに行った。
退院してからもずっと。


