結局俺はキッチンから追い出された。
『先生邪魔だから出てって!』
だとさ。
この状況で普通に調理が出来る増井がちょっと羨ましい。
「先生出来たから運んで~」
へいへい。
キッチンに入ると、たくさんの料理が持ってあった。
「すげ~・・・・・・・」
てか、こんなに量があって食べきれるのかよ。
「「「いただきます」」」
目の前にあった唐揚げを1つ口に放り込む。
あ・・・・・・・・
「葵、コレ美味しいよ!」
この味、留美と同じだ・・・・・・・
「ありがとう」
違う。
留美“と”じゃなくて留美“が”なんだ。
留美の味が劇的に変った時期があった。
料理本を読んでも上手くならなかった留美が美味しく出来たなんて不思議に思ったんだ。
それでも種明かしをしなかった。
それが今、謎が解けた。


