留美に増井と会わせてやりたくて、増井に頼み翌日家に来てもらった。
なんて言えばいいのか、数時間悩んだ末結局思い付かなくアルツハイマーのことだけ伝えた。
留美は心配なので、俺が車で迎えに行った。
「あなたが葵・・・・・・・?」
「そうだよ」
「髪色、染めたのね」
『蜜色のロングヘアー』
日記の文字を思い出した。
留美の記憶が混ざっているんだ。
髪色は昔の留美。
長さは今の増井。
「留美、違うん「そうなの。似合う?」
留美にちゃんと説明しようとしたら、増井が遮り前に出た。
「うん。とっても似合ってる」
「ありがとう」
笑っている増井に申し訳なく、自己嫌悪に陥る。
どうして会わせるようなことしてしまったのだろう。
留美は覚えていないが、増井は覚えていて気不味いはずなのに。
「先生、ご飯作るから手伝って」
「あ、あぁ・・・・・」


