お昼近くになると、ご主人様の帰宅が多くなってきた。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
『アオイちゃんは呑み込みが早いからもう1人でも大丈夫だね。てか、休日のお昼って忙しいから1人でも人出があった方がいいの。分かんなかったら聞いていいから1人で接客お願いね。メニューは近くのメイドに教えて貰って。大丈夫、皆優しいから』
と無責任な思い込みで1人で接客することになった。
「ご注文は何になさいますか?」
「アオイちゃんのオススメは?」
これで何度目の会話だろう。
チラッと開いているメニューを盗み見る。
訪ねられた度に同じ行動をしてきた。
この人、お腹空いてるのね。
「アオイの今日のオススメは、このチキンドリアです」
ペラペラと捲って見せた。
これは先程のご主人様が注文したもの。
味の保証はないけどね。
「じゃあこれとアイスコーヒー。ブラックで」
「かしこまりました」
一礼をしてキッチンに戻る。
「チキンドリアone、アイスブラックoneです」
ここのメニューの言い方は殆ど覚えた。
「ウィ」


