「そうだよ、勝手に見ないでよね」
「なんだと!?」
こんな暑苦しいのによくじゃれ合っていられるね。
「増井さん!」
2階から大きな声が聞こえた。
一昨年もこんな感じが何度かあったな・・・・・・・・
上を見上げると、笑顔の滝川先生。
始業式のあの日から、少しずつ元気が出てきて今では普通に笑えている。
それでも、きっと旦那さんを思い出したら泣いているのだろう。
「現文のプリント早く出してね~」
分かった、と片手をあげると満足した顔で消えた。
「で?千紗は先輩とどこまでいったの?」
「ど、ど、どこまでって!?」
噛み過ぎだし・・・・・・・
「薫子はどこまでいったの?」
話逸らしてるし。
「私達はキスまで・・・・」
ちょっと頬を赤らめて報告する薫子が女の子に見えた。
ま、普段も女の子だけどね。


