「暑い」
昼休み、裏庭で食べようと言い出した雫が木陰で寝転がっている。
「だから言ったじゃない」
そう吐き捨てると、紙パックの紅茶をツー・・・・と啜る。
さっきまで冷たかったのにもう温くなってる。
「あぁ~・・・・・・。夏休みまで後2週間か・・・・・・・」
完全に気力を失っている雫と正反対で、千紗は携帯を見ながらニヤニヤしている。
彼氏とメール中らしい。
どうやらバレンタインで告白して成功した彼とはまだ続いてるらしい。
しかも相手は朝生颯太。
アイツ、文化系だったのにバスケが得意とか意外。
しかし、アイツには手を出したんだよな~・・・・・・
まあ千紗には黙ってればいっか。聞かれてないし。
「いいな~、今日デートでしょ?」
ノソノソと起き上がり、千紗の携帯を覗きこんでいる。
「雫、そんなことしたら失礼でしょ」
薫子の注意なんて聞く気がないらしい。


