桜が満開に咲く4月。
葵の引っ越しをした。
業者に頼むほどの量では無く、葵の友達4人と担任、新を呼び手伝って貰った。
先生が来た時、友達の4人は驚いていたが葵が上手く誤魔化した。
「担任だったから呼び出したの。男の人が居た方が楽でしょ?」
という葵の言葉を鵜呑みにした4人がちょっと可哀想になったが、2人の関係は秘密。
仕方がないだろう。
葵の荷物は然程多くは無く、運び入れるだけなら2時間で終わった。
新の荷物は全て撤去させ、出来た空き部屋に葵の荷物が入って行くのはなんとも言えない心境だった。
「蕎麦注文するか?」
聞いておきながら、勝手に電話を掛け始めた新。
「誰が金払うんだよ」
「もち湊」
殴るぞ。
「先生、私引っ越し祝い貰ってないな」
友達の前で先生に迫る葵。
「だから?」
「御蕎麦食べたいな」
「分かったよ。俺の奢りでいいよ」
「やったぁ~!新、8人前注文」
将来、先生尻に敷かれるな。


