「ごめんね、湊」
え________
「なんで葵が謝るんだよ」
謝るのは俺の方だ。
隠すなら隠し通せばよかった。
大事だと思っていたなら葵に手を出さなければよかった。
全部、謝るのは俺なんだ。
「ごめん、湊。隠すの辛かったでしょ?本当の事言うの怖かったでしょ?」
____________・・・・・・・・・・・
変ったな、葵。
昔の葵ならそんなこと言わなかった。
「なぁ、順序が違うけど俺と一緒に暮さないか?」
あの女を憎んでも、俺達の血の繋がりは変らない。
「遅いけど、“家族”やろ?」
「かぞ、く・・・・・・?」
「周りから見たら普通じゃないけど、俺達は最初から普通じゃなかったろ?」
居るはずの親が居なくて
貰える愛情を貰えず
周りから非難されていた
「そうだね」
泣きながら満面な笑みをする葵は、本当に変ったなと感じた。


