「先生、ありがとうございました」
増井を連れて帰るというので、荷物を持って校舎を出た。
車に増井を寝かせて扉を閉めた。
黒のハマーH2かよ・・・・・・
イケメンなコイツが乗ってたらモテるんだろうな。
「こちらこそ態々お越し頂きありがとうございます。担任の伊達です」
「幼馴染の天道です」
幼馴染・・・・・・
昔孤児園に居たんだから幼馴染位居ても不思議じゃないだろ。
もっともな理由をつけて自己暗示させた。
俺、絶対どうかしてる。
きっと増井のあんな姿を見たから情が移ったんだ。
「こういうの、俺が知る限り初めてなんです。孤児園生だったので精神崩壊みたいな可能性はあるんですよ」
1人で悶々としていたら、湊が急に真面目な話をし出した。
「特に、葵は誰かに甘えたりとかして来なかったんですよ。だから俺が居る時は出来るだけ安らぐようにしてたんですけど・・・・」
あぁ、そっか。
湊のお陰で増井は今まで強く居られたのか。


