「ヤバッ、またアイツかよ」
咄嗟に隠れた白石先輩。
自分は隠れていいかもしれないけど、私はどう説明すんのよ。
ネクタイ解いてあるし、ボタン全開だし。
「・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・」
しかし、息を切らせて入って来たのはさっきの女ではなかった。
「やっと見つけた」
吸い込まれそうな瞳を持つ、伊達先生だった。
「お前、ここで何してたんだよ」
私の全開のシャツに目をやる。
「先生には関係ないでしょ」
さっきの行動を遡るかのようにボタンを閉める。
ブレザーはいつも全開なのでそのまま。
「ちゃんとネクタイも閉めろよ」
煩いな~・・・・・
口答えするのもめんどくさいので素直にネクタイを結んだ。
「で?何か用?」
「何で授業中に教室を出た?」
キーンコーンカーンコーン
タイミングよく鳴ったチャイム。
「はい。授業終わった」
「そういう意味じゃねぇよ」
別に終わったんだからもういいじゃない。


