「話はまだ終わってないぞ」
・・・・・・・は?
「増井、お前が先に手を出したんだろ」
こんの頑固親父がぁ~!
「先生、動画見ます?」
雫がスマホを見せた。
こうなることも想定して3人に頼んでおいた。
「だが、増井だって足を掛けているじゃないか」
どうしても私を指導したいのね。
「それ、勝手に躓いて相手が転んだんですよ」
「はぁ?あんたが仕掛けてきたんでしょ?」
「でも先に手を出してきたのはどっちよ。正当防衛よ、正当防衛。あ、正当防衛の意味分かる?」
「増井、挑発するな」
先生が間に割って入って来た。
「そもそも先生が相談してきたからこうなったんでしょ。先生が責任取ってよね」
「ばっ、ネタばらしすな!」
「本当なんですか?伊達先生」
「はい。生徒同士の方が解決しやすいかと思いまして」
「そうですか。では、今回増井は白と信じましょう」
「ありがとうございます」
私の頭を無理矢理下げ、自分も一緒に頭を下げた。
なんで私が頭下げなくちゃならないのよ。


