今朝も増井に電話をし、教室に向かった。
ダメだ。
あの時は平然を保ち、電話を切ったが内心バクバクだった。
しかも今教室に行って増井が居たら合せる顔ねぇーよ。
そもそもどういう顔すればいいんだよ!
俺今までどういう顔してた?
あー!頭ん中がグチャグチャだ。
「何してるの?」
え・・・・・・・?
振り返ると、優雅に登校してきた増井。
「ここ、階段だよ?」
あ・・・・・・・
忘れてた。
一段また一段と上がってくる増井。
俺の心臓は上がってくるスピードと比例してドクンドクンと波打つ。
「もしかして、私のこと考えて一人で悶々としててくれたの?」
一段下で止まり、耳に髪を掛けた。
上目を使うな!


