沢野先生の結婚式当日。
沢野先生は「生徒は増井さんだけ呼びました」と言っていたが、その本人は来ていなかった。
ガーデンで食事を楽しんでいると、増井は現れた。
ちゃんと制服で。
帰ると言うので、送ると言ったら素直に車に乗り込んだ。
そこで初めて増井の本音を聞いた。
「私、思うの。現実逃避するならこれからのことでも考えれば?って」
「それでも、人間には休憩する時が必要なんだ。それがきっと『現実逃避』なのかもしれない」
増井は今まで休んでこなかったのかもしれない。
気を張り詰めて
周りを警戒して
自分に誰かを近づけないように。
また誰かに捨てられない様に。
「弱くなったって誰かが支えてくれる」
頼ってくれれば俺だって支える。


