これでも朝から緊張していた方だ。
昼休み、息抜きを兼ねて裏門の方へ出た。
裏門にも関わらず、桜の木の量は表門に負けていない。
そんな桜吹雪に包まれながら、桜の木を見上げている女子生徒を見つけた。
高校生とは思えないオーラで、桜が妙に似合っている。
って、見惚れてる場合じゃないだろ。
「おい、遅刻か?」
教師の威厳を見せ、ちょっと強めに言ってみた。
なのに聞いてる様子は全くない。
「聞いてんのか?」
もう教師の威厳とかバカらしくなってきた。
「あんた誰?」
威嚇をしているのか、大きな目がつり上がっている。
「俺?俺は「あ!増井さん!」
上から聞こえてきた沢野先生の声。
昼まで一緒に過ごしてきて分かったことがある。
上品な先生というのは、見かけだけだったらしい。


