◆◆◆
「お前ら、学校来る気あるのか」
怒気を孕んだ声で、僕達の担任の先生が目の前でふんぞり返る。
理由は簡単、遅刻だ。あの後、気付いたら11時でこれでも慌てて来たんだけど、僕達は遅刻常習犯と言う汚名のおかげで毎回怒られる。それは今日も変わらず、怒られているのが今の状況。
「先生、そんなに眉間にしわ寄せてると、しわ増えますよー」
彼女が先生に怯むことなく、憎らしい言葉を浴びせるものだから、先生はもっとしわを濃くする。
嗚呼、この先生、ホントにしわ増えそう、なんて思いながらも僕は何も言わない。
「お前らが毎日毎日遅刻したりしなかったら、しわの数も増えないんだよ!」
「はいはい、分かりましたよ。すみませんって」
「なんだ、その全然反省してない言い方は!大体、昼前に来て悪びれることもなくへらへらしてるお前らの気がしれん!」
それからも延々と続く説教を受け流し、漸く解放されたのは一時間後の事だった。


