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想いが通じ合っていくらか日が経った日の嵐の夜だった。
家を壊してしまうんじゃないかと言うほどの勢いで叩きつける雨と真っ黒でずっしり重そうな雲。
その合間を閃光が走り、遅れてけたたましい音が地上に鳴り響く。
その光景を窓越しにボーっと見ながら、僕はベッドに横たわっていた。
深夜2時前だと言うのに眠れないまま寝がえりを何度もうつ。
なんだか不安がそっと心を撫でるように伝ってきて怖かった。
早く、朝が来ればいいのにと思いつつもなかなか朝は来ない。
楽しい時ならすぐに過ぎたように感じる時間も早く過ぎてほしい時にゆったりと流れるように感じるのだから困ったものだ。
不意に部屋の扉を叩く音が響いた。
真夜中に誰が僕になんの用だろうかと不思議に思いつつ、返事をする。
「どうぞ」
遠慮がちに扉が開く。


