大事そうに、一つ一つ丁寧に紡いでいった彼女の言葉はとても温かくて、心が満たされていく。


「君が思うほど、君の存在は無価値なんかじゃないよ。

僕は君ほど、ひだまりのような穏やかで優しい人を、真っ直ぐで透明で綺麗な心持った人を、知らない」

「そうかな。ありがとう」


やっぱり、綺麗だと思った。

照れたように少し頬を赤くさせて微笑む彼女は絵から飛び出してきたみたいで、本当に綺麗。


「そうやって笑うとこ、好き。僕は君のこと、好きだよ」


思わず、勢いで言ってしまってハッとする。

でも、彼女は固まる僕を見て、顔をもっと赤くさせて笑った。


「私だって、好きだよ。だーいすき」


驚き過ぎて眼を見開く。

その言葉を理解するのに少し時間がかかった。

でも、理解すると嬉しくて、嬉しくて、笑顔になる。

そのまま見つめ合って、どちらかともなくそっと唇を重ねた。



この時が一番幸せだった――。